「山は涼しいから大丈夫」と思いがちですが、登山中の熱中症は毎年発生しています。とくに標高の低い樹林帯や、風が通らない谷沿いは蒸し暑く、汗による脱水が一気に進みます。重症化すると行動不能になり遭難にもつながるため、予防がなにより大切です。
必要な水分量の目安
登山で必要な水分量は、「体重(kg)×行動時間(h)×5ml」でおおよそ計算できます。
| 体重 | 行動5時間 | 行動8時間 |
|---|---|---|
| 50kg | 約1,250ml | 約2,000ml |
| 60kg | 約1,500ml | 約2,400ml |
| 70kg | 約1,750ml | 約2,800ml |
これはあくまで基本量。真夏や急登の多いコースではさらに多めに用意します。一度に大量に飲むより、のどが渇く前に少しずつこまめに飲むのがコツです。
水だけでは足りない|塩分も補給
大量に汗をかくと、水分とともに塩分(ナトリウム)も失われます。水だけを飲み続けると体内の塩分濃度が下がり、かえって足がつったり体調を崩したりします。スポーツドリンクや塩分タブレット、梅干しなどで塩分も一緒に取りましょう。
塩分タブレット
手軽に塩分補給ができる定番。汗を多くかいたらこまめに。
スポーツドリンク
水分・塩分・糖分を同時に補給。水で薄めて2本持つのも手。
行動食
おにぎりや梅干し、ナッツでエネルギーと塩分を補う。
冷却グッズ
凍らせた飲料や冷却タオルで、首や脇を冷やすと効果的。
初期症状と応急処置
| 段階 | 症状 | 対応 |
|---|---|---|
| 軽症 | めまい・足のつり・大量の汗 | 日陰で休み、水分・塩分を補給 |
| 中等症 | 頭痛・吐き気・倦怠感 | 体を冷やし安静に。回復しなければ下山 |
| 重症 | 意識障害・汗が出ない・高体温 | ただちに救助要請。全身を冷やす |
⚠ 意識がもうろうとする・呼びかけに反応が鈍い場合は重症です。ためらわず119番・救助要請を。
暑さを避ける登り方
早朝出発
気温が低い朝のうちに標高をかせぐ。午後の暑さと雷雨も避けられる。
日射を遮る
帽子・サングラス・通気性の良いウェアで体温の上昇を抑える。
こまめに休憩
無理なペースは禁物。日陰で休み、汗が引いてから歩き出す。
体調管理
寝不足・二日酔いは熱中症のリスク大。前日はしっかり休む。
よくある質問
水はどれくらい?
「体重×行動時間×5ml」が目安。夏は多めに用意します。
高い山でもなる?
なります。樹林帯や谷沿いは蒸し暑く脱水が進みます。
天気の急変対策は?
夏山の天気と落雷対策もあわせて確認を。