日本は世界有数の火山国であると同時に、世界有数の温泉大国でもあります。これは偶然ではありません。温泉の多くは火山活動の副産物として生まれており、火山の分布と温泉地の分布はほぼ重なります。火山がもたらす「もう一つの恵み」が温泉なのです。

なぜ火山のそばに温泉が湧くのか

火山の地下数km〜十数kmには、高温のマグマだまりがあります。このマグマの熱が周囲の岩盤や地下水を温め、温められた水が地表の割れ目から湧き出したものが温泉です。さらにマグマから供給される硫黄・塩素・二酸化炭素などの成分が溶け込むことで、火山特有の濃厚な泉質がつくられます。

💡 同じ「温泉」でも、火山の熱による火山性温泉と、地下深くの地熱で温まる非火山性温泉があります。白濁した硫黄泉や強い酸性泉は、火山性温泉ならではの特徴です。

火山性温泉に多い泉質

🥚硫黄泉
独特の硫黄臭と白濁した湯。火山ガス由来の硫化水素を含み、火山性温泉の代表格。
🍋酸性泉
強い酸性で殺菌力が高い。草津温泉が代表。刺激が強く肌の弱い人は長湯に注意。
🧂塩化物泉
塩分を含み体が温まりやすい。保温効果が高く「熱の湯」とも呼ばれる。
🫧炭酸水素塩泉
肌をなめらかにする「美人の湯」。火山地帯にも多く分布する。

火山が育んだ代表的な温泉地

温泉地関係する火山特徴
登別温泉倶多楽・日和山地獄谷の噴気。多彩な泉質が湧く「温泉のデパート」。
草津温泉草津白根山日本有数の強酸性泉。湯畑から豊富な湯量が湧く。
箱根温泉箱根山大涌谷の噴気地帯。泉質が異なる多数の温泉場。
別府・由布院鶴見岳・由布岳源泉数・湧出量とも日本一。地獄めぐりが有名。
蔵王温泉蔵王山強い酸性硫黄泉。樹氷とともに人気の山岳温泉。
雲仙温泉雲仙岳雲仙地獄の噴気と硫黄泉。歴史ある温泉保養地。

火山性温泉を楽しむときの注意

硫黄泉や酸性泉は刺激が強いため、肌の弱い方は長湯を避け、入浴後はシャワーで流すと安心です。また温泉地によっては源泉付近で火山ガス(硫化水素)がたまることがあり、換気の悪い浴室や窪地は危険です。立入規制や注意看板には必ず従いましょう。温泉地が火山のそばにある以上、噴火警戒レベルの確認も旅行前のひと手間として有効です。

⚠ 温泉旅行の前に、近くの火山の状況をチェック。
cocoyama 火山一覧で警戒レベルを見る →

よくある質問

なぜ火山に温泉が?
地下のマグマの熱で地下水が温められ、火山成分が溶け込んで温泉になります。
白濁の湯の正体は?
火山ガス由来の硫黄成分。硫黄泉特有の色と香りです。
温泉地は安全?
通常は安全ですが、火山ガスのたまる窪地は避け、規制には従いましょう。