あの日、何が起きたか

2014年9月27日11時52分。長野・岐阜県境の御嶽山(3067m)で突然の水蒸気爆発が発生しました。登山者で賑わう昼前、何の前触れもなく噴石・火山灰が降り注ぎ、58名が犠牲となりました(1名は行方不明のまま)。戦後最悪の火山災害です。

なぜ予知できなかったのか

御嶽山の噴火は「水蒸気爆発」でした。マグマが地表に出てくる噴火と異なり、地下の熱水・水蒸気が閉じ込められた圧力を一気に解放する現象です。

  • 前兆となる地震は噴火の11分前から発生し始めたが、噴火を予測するには短すぎた
  • 気象庁の監視体制は「噴火警戒レベル1」のまま
  • 登山者への避難勧告・情報伝達手段がなかった

この噴火が変えたもの

① 火山防災協議会の設置義務化
全国の活火山周辺の都道府県・市町村・気象庁・専門家が参加する「火山防災協議会」の設置が法的に義務化されました。

② 噴火シェルターの整備
登山ルート上に噴石から身を守るシェルター(鉄筋コンクリート製)の設置が各火山で進められています。御嶽山にも複数のシェルターが整備されました。

③ 火山観測網の強化
気象庁・国土地理院・大学等による観測機器(地震計・GPS・傾斜計・空振計)の増強が全国で実施されました。

④ 登山者への情報伝達
山岳エリアでの携帯電話通話エリア拡大・防災情報アプリの普及が推進されました。

御嶽山の現在

2024年に噴火から10年を迎えた御嶽山では、慰霊登山が実施されています。剣ヶ峰(山頂)まで登山可能ですが、二ノ池周辺など一部区間は立入規制が継続されています。山頂付近には犠牲者を悼む慰霊碑が設置されています。