噴火警戒レベルは、火山活動の状況に応じて「警戒が必要な範囲」と「取るべき防災対応」を5段階で示す気象庁の指標です。2007年に運用が始まり、現在は富士山・桜島・浅間山・旭岳など全国50の火山で導入されています。レベルの数字は「噴火の規模」ではなく、影響が及ぶ範囲が火口周辺か、居住地域まで達するかで決まる点がポイントです。

噴火警戒レベル1〜5 早見表

レベルキーワード状態取るべき行動
5避難居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生、または切迫危険な居住地域から速やかに避難
4高齢者等避難居住地域に重大な被害を及ぼす噴火の可能性が高まっている高齢者など要配慮者は避難、住民は避難準備
3入山規制居住地域の近くまで影響を及ぼす噴火が発生、または予想される登山禁止・入山規制。住民は活動の推移に注意
2火口周辺規制火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生、または予想される火口周辺への立ち入り規制。住民は通常の生活
1活火山であることに留意火山活動は静穏。状況により火口内などで灰の噴出等の可能性特段の対応不要。火口内への立ち入りは危険な場合あり

レベル1〜2は主に登山者・観光客向け、レベル4〜5は住民の避難に関わる段階です。レベル3(入山規制)はその境目にあたり、登山は全面的に規制され、ふもとの住民にも避難準備の可能性が出てきます。

各レベルで登山者・住民がすべきこと

🥾レベル1〜2:登山者
レベル1でも「安全宣言」ではない。火口付近は突発噴火のリスクがあり、御嶽山2014年噴火はレベル1で発生した。登山前に必ず最新レベルと規制範囲を確認し、ヘルメット携行・火口に長居しないなどの基本を守る。
レベル3:入山規制
登山道が閉鎖され、規制範囲への立ち入りは法令(災害対策基本法・市町村条例)に基づき禁止されることがある。計画していた登山は中止・転進を。
🏠レベル4:高齢者等避難
避難に時間のかかる高齢者・障害のある人・乳幼児連れなどは避難を開始。その他の住民も避難の準備を整え、自治体の避難情報を常に確認する。
🚨レベル5:避難
対象地域の全住民が速やかに避難。2015年の口永良部島噴火では全島避難が実施された。避難先・経路はハザードマップと自治体の指示に従う。

現在の噴火警戒レベルの調べ方

最新の噴火警戒レベルは次の方法で確認できます。

⚠ 噴火警戒レベルは日々変わります。登山・観光の直前には必ず最新のレベルと規制範囲を確認してください。
全国の活火山の現在の警戒レベルを見る →

レベルだけに頼らない — 知っておくべき限界

噴火警戒レベルは万能ではありません。2014年の御嶽山噴火はレベル1のまま発生し、58名が犠牲になりました。前兆現象がほとんどないまま起こる水蒸気噴火は、現在の観測技術でも事前の予測が難しいためです。レベル1でも「安全」ではなく「活火山であることに留意」という名称に変わったのは、この教訓によるものです。火口周辺に立ち入る際は、レベルにかかわらず突発噴火があり得る前提で行動しましょう。詳しくは登山中に噴火に遭遇したときの行動ガイドで解説しています。

噴火警戒レベルとあわせて確認したい情報

  • 噴火速報:登山者・住民に噴火発生を即時に伝える情報。スマホの防災アプリで受信設定を。
  • 降灰予報:噴火後にどこへどれだけ灰が降るかの予測。火山灰対策ガイドもあわせて。
  • 火山ハザードマップ:溶岩流・火砕流・降灰の想定範囲と避難場所。ハザードマップの見方で読み方を解説。
  • 火山ガス情報:規制はレベルと別に敷かれることも。火山ガスの危険と対策を参照。

よくある質問

レベルは誰が決める?
気象庁が24時間の観測データに基づいて発表・変更します。
レベル3で住民は避難する?
基本は通常の生活を継続。状況により要配慮者の避難準備が始まります。
全部の火山にレベルがある?
運用は全国50火山。未運用の火山は「噴火警報・予報」で発表されます。
富士山は今レベルいくつ?
通常はレベル1。最新状況は富士山ページで確認できます。