噴火警戒レベルは、気象庁が火山活動の状況に応じて「警戒が必要な範囲」と「取るべき防災対応」を5段階で示す指標です。2026年9月時点で、レベル2以上に引き上げられている火山は全国で7座(レベル3が1座、レベル2が6座)。加えて西之島・硫黄島で噴火警報(周辺海域)が継続しています。それ以外の常時観測火山はレベル1(活火山であることに留意)で推移しています。

最終更新:2026年9月2日。噴火警戒レベルは気象庁の判断で随時変わります。旅行・登山の前には必ず最新情報を確認してください。

噴火警戒レベル 5段階の一覧表

レベル名称警戒が必要な範囲住民・登山者の行動
5避難居住地域およびそれより火口側危険な居住地域から速やかに避難
4高齢者等避難居住地域およびそれより火口側要配慮者は避難、住民は避難の準備
3入山規制居住地域の近くまで登山禁止・入山規制。住民は推移に注意
2火口周辺規制火口から数百m〜数km火口周辺への立入規制。住民は通常の生活
1活火山であることに留意火口内など特段の対応不要。火口内は危険な場合あり

レベルの数字は噴火の規模ではなく「影響が及ぶ範囲」で決まります。レベル2と3の境目は、影響が火口周辺にとどまるか、居住地域の近くまで達するかという点です。

現在レベル2以上の火山 一覧(2026年9月時点)

火山名所在地標高レベル状況
桜島鹿児島県1,117m3南岳山頂火口・昭和火口で噴火が継続。火口から2km以内が立入規制
十勝岳北海道2,077m262-2火口・振子沢噴気孔群で熱活動が活発。火口から2kmが立入規制
雌阿寒岳北海道1,499m2ポンマチネシリ火口で火山性地震・地殻変動。火口から1kmが立入規制
阿蘇山熊本県1,592m22026年9月1日にレベル3から2へ引き下げ。中岳第一火口周辺1kmが立入規制
諏訪之瀬島鹿児島県796m2御岳火口で噴火活動。火口からおおむね2kmが立入規制
薩摩硫黄島鹿児島県704m2硫黄岳火口で噴火。火口からおおむね2kmが立入規制
霧島山(新燃岳)宮崎県・鹿児島県1,421m2新燃岳火口で火山活動。火口からおおむね2kmが立入規制

このほか、西之島と硫黄島(東京都・小笠原)では噴火警報(周辺海域)が継続し、火口からおおむね2〜2.5kmの海域が立入危険とされています。西之島の最新状況は西之島の現在 2026を参照してください。

※レベルは気象庁の発表により随時変更されます。2026年8月以降だけでも口永良部島・草津白根山がレベル2から1へ、阿蘇山がレベル3から2へ変更されました。登山・旅行の前には必ず気象庁の火山情報で最新のレベルを確認してください。

噴火警戒レベル別の火山数(目安)

レベル2026年9月時点の火山数内訳
5・40現在該当なし
31桜島
26十勝岳・雌阿寒岳・阿蘇山・諏訪之瀬島・薩摩硫黄島・霧島山(新燃岳)
1約43レベルが運用されている50火山のうち、上記以外
周辺海域警報2西之島・硫黄島

過去に噴火警戒レベル4・5になった火山

噴火警戒レベルは2007年に運用が始まりました。それ以降、居住地域に危険が及ぶレベル4・5が発表された例は多くありません。

  • レベル5(避難) — 2015年5月、口永良部島。新岳の爆発的噴火で火砕流が海岸に到達し、全島民が屋久島へ避難しました。運用開始後で唯一のレベル5です。
  • レベル4(高齢者等避難/旧・避難準備) — 2015年8月の桜島(マグマ貫入を示す地殻変動で一時的に引き上げ)、2015年の口永良部島(レベル5の前後)など。
  • レベル3以上の主な例 — 2014年の御嶽山(噴火災害後)、2018年の草津白根山(本白根山の突発噴火)、2011年・2018年・2025年の新燃岳など。

数字が小さいうちに動くことが被害を減らす鍵です。レベル2の段階で規制範囲・避難情報を確認しておくことをおすすめします。

噴火警戒レベル1でも規制がある火山

レベル1は「活火山であることに留意」で特別な防災対応は不要ですが、火口内や噴気地帯に立入規制が残っている火山があります。レベル1=どこでも安全、ではありません。

  • 御嶽山 — 2014年の噴火を受け、山頂の剣ヶ峰周辺に季節限定の規制。シェルターが整備されています。
  • 浅間山 — レベル1でも火口から500m以内は原則立入禁止。前掛山までの登山道のみ開放。
  • 那須岳(茶臼岳)大雪山(旭岳) — 噴気孔・地獄谷付近は火山ガスに注意。

主要な火山の噴火警戒レベル

ニュースや検索でよく調べられる火山の、平常時の警戒レベルと活動の傾向をまとめました。

火山名都道府県現在のレベル備考
富士山静岡県・山梨県1最後の噴火は1707年の宝永噴火。現在は静穏
浅間山群馬県・長野県1レベル2への引き上げ・引き下げを繰り返す活動的な火山
御嶽山長野県・岐阜県12014年の噴火災害後、山頂付近に規制区域あり
十勝岳北海道22026年6月にレベル2へ引き上げ。熱活動が高まった状態が継続
大雪山(旭岳)北海道1旭岳の地獄谷で活発な噴気が続く
霧島山(新燃岳)宮崎県・鹿児島県2新燃岳は噴火と静穏を繰り返す。火口ごとにレベルが異なる
那須岳栃木県1茶臼岳の噴気孔付近は火山ガスに注意
雌阿寒岳北海道2火山性地震・地殻変動でレベル2。火口から1kmが立入規制

噴火警戒レベルと噴火警報・噴火予報の関係

気象庁が発表する情報には「噴火警報」「噴火予報」があり、噴火警戒レベルはその中で示される数値です。対応は次のようになります。

  • 噴火警報(居住地域)=レベル4・5。居住地域まで重大な影響が及ぶおそれ。
  • 噴火警報(火口周辺)=レベル2・3。火口周辺から居住地域近くまで影響のおそれ。「火口周辺警報」とも呼ばれます。
  • 噴火予報=レベル1。活動は静穏だが活火山であることに留意。

噴火警戒レベルが運用されていない火山では、警報のかわりに「火口周辺危険」などの表現が使われます。全国111の活火山のうちレベルが運用されているのは常時観測火山を中心とした50火山です。

現在の噴火警戒レベルを最速で調べる方法

  • 気象庁の火山登山者向け情報提供ページ — 全国の最新レベルが一覧・地図で確認できます。
  • cocoyamaの火山一覧 — 地域別・レベル別に絞り込んで確認できます。
  • 各火山の詳細ページ — 標高・噴火履歴・登山規制とあわせて確認できます。
  • 自治体の防災メール・防災アプリ — レベル引き上げ時に最も早く通知が届きます。

よくある質問

噴火警戒レベルが3の火山はどこですか?

2026年9月時点で噴火警戒レベル3(入山規制)は鹿児島県の桜島です。南岳山頂火口・昭和火口で噴火が継続し、火口から2km以内が立入規制されています。このほか西之島は噴火警報(周辺海域)が継続しています。レベルは変更されることがあるため、最新の状況は気象庁の火山情報で確認してください。

噴火警戒レベル2以上の火山は今いくつありますか?

2026年9月時点でレベル2以上は7火山です。レベル3が桜島、レベル2が十勝岳・雌阿寒岳・阿蘇山・諏訪之瀬島・薩摩硫黄島・霧島山(新燃岳)。このほか西之島・硫黄島で噴火警報(周辺海域)が出ています。数はレベルの引き上げ・引き下げにより頻繁に変わります。

過去に噴火警戒レベル5(避難)になった火山はありますか?

あります。2015年5月の口永良部島(新岳の爆発的噴火で全島避難)が、噴火警戒レベル運用開始後で唯一のレベル5です。レベル4は2015年の桜島・口永良部島などで発表されています。

噴火警戒レベルは全部で何段階ありますか?

5段階です。レベル1(活火山であることに留意)、レベル2(火口周辺規制)、レベル3(入山規制)、レベル4(高齢者等避難)、レベル5(避難)に分かれています。数字は噴火の規模ではなく、影響が及ぶ範囲の広さで決まります。

噴火警戒レベルはすべての火山にありますか?

いいえ。日本の111活火山のうち、噴火警戒レベルが運用されているのは常時観測火山を中心とした50火山です。レベルが運用されていない火山では、噴火警報や「火口周辺危険」といった表現で危険が知らされます。

噴火警戒レベル2の火山には登れますか?

レベル2(火口周辺規制)では火口から数百m〜数kmの範囲が立入規制になりますが、規制範囲外の登山道は通行できる場合があります。規制範囲は火山ごとに異なるため、事前に自治体・山小屋の情報を確認し、規制区域に入らないルートを選んでください。

噴火警戒レベルが引き下げられたら安全ですか?

引き下げは活動が落ち着いたという判断ですが、再び急に引き上げられることもあります。レベル1でも火口内や噴気孔付近は火山ガスや小規模な噴石の危険が残ります。ヘルメット・マスクの携行と、噴火速報を受け取れる体制は維持してください。